◼︎ コトノハ ◼︎

本と芝居とラジオの日々 / all rights reserved

浅草ロック座

 ふと久しぶりに浅草ロック座へ行ってみたくなった。

 ストリップを初めてみたのは、いつだったか。もう10年ちかく昔のこと、今日と同じ浅草ロック座だった。当時、舞台の仕事をしていたのだが、その先輩にすすめられて、スケベ心に火が付いたのが足を運んだきっかけだった。

 見て驚いたのは、それまでにいろいろ聞いていた話から想像していたのとは、全く違う舞台だったということ。裸を見せ、あそこを見せる。時にはからむ。ただそれだけ・・・きっとそんな程度だと思い、舞台的には照明くらいしか見どころはないだろうと思っていた。そんな私の前に出てきたのは、不思議な不思議なステージだった。

 ようするに、裸のミュージカルがやりたいんだ。見ている途中で思ったのはそんな感想だった。1ステージ3時間30分のうち、脱いでいるのはその半分くらい。あとはヅカのような演出や、アメリカングラフィティのような演出等々、裸より踊り、という趣向。それはそれで面白いなと思った。ただ、残念だったのは、踊りが、ままごとレベルの踊りだったということ…。

 これでは見ている人をばかにしているようなもの、そう思って席を立とうとしたとき、ちょっと凄い人が出てきた。難しそうなラテンのステップを踏み、妙にキレのある踊り・・・。かと思えば静かに日舞を決める・・・。なんなんだこの人は?スタイルがいいわけでもない、顔もとびきり美人というわけではない。それでもその踊りがひときわ輝いていた。結局、その日は彼女見たさに2ステージ見て帰った。

 家で調べてみると、彼女は小さい頃から日舞に親しみ、その後、アメリカでダンスを学んだといいうことがわかった。そういう人がストリップにいるのが面白いなと、思った。

 きょう久しぶりに足を運んだのは、まだ彼女がそこで踊っているということを、偶然知ったからだった。あれからもう10年近い月日が流れている。果たして彼女はどうなっているのだろうか・・・。

 見ながら私が思っていたのは、彼女は、本当はこんなもんじゃない、きっと、構成や演出が悪いのだということ。しかし、はじめは2ステージ見ようと思っていたのが、1ステージを観るのが限界だった。

 今回のステージには、あるグラビアアイドルが客寄せパンダのように使われていた。その子がトリをとったり、なんでもその子中心で組まれていた。悲しいけど、それも営業努力なのかもしれない。ただ、そうした表面的な試みは、いつも本質的な部分をダメにしてしまうことの方が多い。今回のステージを観ていたつらかったのは、多分そのせいで全体がダメになっていたからなのだろう、きっと彼女自体はまだまだ踊れるはずだと、思った。この数年の歳月の重みを感じながらも。

 雅麗華。あなたはまだまだ踊れるはずだ。