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宮台真司「終わりなき日常を生きろ」

宮台真司さんの「終わりなき日常を生きろ」を読み返す。


宮台さんの本、というか、宮台真司そのものに、強いアレルギーを抱く人も多いと思うが、個人的には、すごく好きな社会学者の一人。関心のありかが同じだし、わかりやすく伝えようとしてくれているので。そして何より、優しいので。あの優しさはなんなのか。


宮台さんの研究の原点には、今を生きる自らの生きにくさがあるように思う。この社会で苦しみながら生きる自分が、苦しみながら何かを乗り越えて見えて来た物、あるいは苦しみから逃れるために発見しようと探し求めて手に入れたもの、それらを研究成果として、まだ苦しみのなかにいる人に救いの手を差し延べるように発表している、そんなふうに思える。実際、彼の研究を見ていると、社会の移り変わりとともに変化していると同時に、彼の人生の変化とともに成長しているようにみえる。作品と作者の実人生を重ねてみるというのは、古い手法かもしれないが。


この「終わりなき日常を生きろ」も優しい一冊。これが書かれた頃と今では社会は変わっているが、多分30代には今も響く。と同時に、大人が今の子供を理解するには必要な予習事項。今、の前に、あの時代の事を見つめ直す必要があるので。