◼︎ コトノハ ◼︎

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鴻上尚史「僕たちの好きだった革命」

裏切ったんじゃないよ。
自分に負けただけだ。
何度負けたっていいんだ。
最後に勝てば。


KOKAMI@networkの「僕たちの好きだった革命」を大阪梅田、シアター・ドラマシティで。


朝起きるとまだ体がだるく、この先の仕事を考えると、起きようかどうしようか迷ったが、熱が下がっていたのと、動かない時間が嫌だったので、少し無理して起きて新幹線で大阪へ。という強硬スケジュールだったが、それくらいの価値のある、楽しい舞台だった。


鴻上さんの舞台は、大きいステージより、小さいステージの方がいいと思っている。人の距離が近い脚本だからかもしれないが、人の距離が近い芝居の方が、はまるように思うのだ。ところが今回は、大きなステージ。そのへんに不安があったのだが、凝った美術でステージを小さく使っていて、近い演出が活きていた。その空間の使い方は、素晴らしかった。


その他、中村雅俊さんははまり役。こういう舞台に拙者ムニエルの澤田育子さんを引っ張ってくるキャスティングもさすが。ラップとアジの親和性は見事。笑いの部分は・・・80年代っぽく、脚本はただただ善意に満ちていて、商業演劇っぽい表層な面もあり、食い足りない人がいるかも知れないが、それでも楽しめた。


カーテンコールは客席全員でスタンディングオベーション。芝居中に出てくる「頑張って頑張って」という小ネタを客席全員でやってしまうあたりは、大阪ならではか・・・。


鴻上さんの演出を観るのは、「ビー・ヒア・ナウ(初演)」以来という、本当に久しぶりで、その時の流れを舞台の端々に感じながら観ていた。ちなみに、長野里美さんの「かぶりもの」は健在で、こちらはただただ懐かしく。


終演後の客出し。鴻上尚史さんが出口の所で一人ひとりお客さんを見送っていた。お客さんを演出家が見送る。毎回ではないけれど、小劇場時代からの大切なこと。そんな姿を見られたのも、よかった。


変わらないものを観て、帰ってきたような懐かしさを感じ、大きく変わったものを観て、自分の時の止まり具合を嘆き、そんな1日。